PINKY DAYS
それからというもの、先生の話はひとつも耳に入らず苦しかった。

自分に嘘をついた。
それだけのことで。

「では、係同士で話し合いをして下さい!」
先生はやりきった!という表情で楽しそうだった。

でも、話を聞いてなかったから誰が同じ放送係なのか分からない。

「平山さん?放送なんだけど。」
後ろから声がかかる。
もう、ほっといてよ・・・。

「あー、佐倉くん。放送なの?」
私は渋々聞いてみた。

「そうだよ。聞いてなかったの?」

「うん・・・。」
私はうつむく。

あぁ、なんかしかられたような気分。

「じゃあ、この紙に仕事とか書くんだって。俺は字が下手だから書いてよ。」

「う、うん。」
そう答えて私はピンクのシャーペンを紙に走らせた。

放送、係っと・・・。


遠くから由葵の視線を感じる。
気付かないふりをして、ひたすら書き進める。
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