PINKY DAYS
「次ー、放送係。誰か居る?」

由葵はちらっとこちらを向いて、すぐ前に視線を戻した。

「はいはぁーいっ先生♪推薦です!」
由葵はニコニコと手を振ってみせる。

「何だい?夢野」

「小学校から放送委員会だった、平山結実さんがいいと思いま~す!」

周りからは感嘆の声。表現で言えば、周り“だけ”からの方が正しいと思う。

私ははっきり言って、げっ・・・と思った。

確かに、放送委員会だったけど・・・。

それとこれとは話が別!!


私は、大きく深くため息をついて遠くの方を見る。


そして、思った。

由葵が私をサボらせないための作戦かなぁ、と。



「じゃあ、平山ー。やってくれるか?」


「いいですよ。」

由葵がぱあっと光る顔で私の方を振り向く。


「ありがとう、では次―――――・・・。」


思いとは裏腹の私の声は、まるで自分じゃない気がしたんだ。
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