PINKY DAYS
冷えピタをおでこに貼る。

むず痒い冷たさ。
薬品の匂いが鼻にツーンとくる。


手をのばして、机にあった鏡を手に取る。

目が充血していて良く見ると潤んでいる。
私が布団をかぶったから、ベットの上に偶然置いていた本がするっと落ちる。

「儚い勇者たち ~涙と淡い気持ち~」

この前読んだ本・・・。
儚い、絶望をしらない、私と同年代の子供達。
お互いがお互いを信じて、自分を信じて、悩みや不安に立ち向かっていく・・・。

初めて読んだとき、あぁなんて強いんだろうと思った。
弱くても、弱いなりに立ち向かう姿は強く思えた。

幸せが満ちる明日、そう書いていた。


私にとっての明日、はなんだろう?


ただのつまらないもの・・・・・・?



そう思いながら私は眠りへと導かれた。
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