歌姫桜華








「……そんなの、俺らが決めることだ」









 真剣な声。


 私は、思わず奏多の顔を見た。



「……私にも決める権利あるよ」


 唇を噛み締め、私は言う。


 自分でも、頑固だなぁって思う。





「じゃあ、姫じゃなく仲間になれよ」





「それもヤダ」



「お前、頑固すぎ」



「仕方ないじゃん」



 そうなっちゃうもん。……私には、譲れない。


 独りになる、そのことは。

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