歌姫桜華
「………仲間も、やなのかよ」
「本当は、なりたいよ?
でも……無理」
「それ、『嫌』とは言わねぇじゃん」
「でも、無理」
「仲間、いらねぇの?」
奏多のほうをチラ…と見ると、私は少し黙ってしまった。
いらない。と言えば嘘になる。
本当は、戻りたいんだ。
龍華の元へ。
でも、無理なんだよ。
総長として、もう戻れない。
もちろん、やり直せない。
人を殺める……それは、やってはいけない罪なのだから。