歌姫桜華




「つくっちゃいけないんだよ。私には」




「ふーん…」





 私の頑固さに負けを認めたのか、奏多はなにも言わなくなった。



 沈黙。



 私がまた逃げようとすると…




「MIRIA」



 

 と、呟く奏多の声が。


「…え?」



 私……?





「さっき、大通りにMIRIAが現れて、歌ったんだと」


「へ、へぇ~…」


「俺、聴きたかったなぁ。MIRIAの歌。生で」


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