異世界で家庭菜園やってみた
途端に空腹を覚えた悠里は、料理を片っ端から片付けて行った。
美味しい。
御飯を美味しいと思えることが嬉しかった。
(うん。誰がやったとか、考えてたら切りがないもん。それよりは、次の種を植えることを考えた方が、ずっといい)
もう、迷わない。
何があっても、へこたれない。
(ディントを野菜でいっぱいにするって、決めたんだから……)
いろんな野菜を使ったサラダ。
根菜のスープ。
こんな料理を、誰もが隔てなく食べられるように。
そのために、頑張っているんだ。
(落ち込んでる暇なんてない……)
最後全部を掻き込んで、悠里はトレイを台所に返して来ると、コウメさまを探した。
途中サラが図書室で勉強しているのを見掛けて、ほっと胸を撫で下ろしたり、サム爺さんが昼寝をしているのを見て和んだりしながら、庭に出ると、やはりそこにコウメさまはいた。
コウメさまは花畑の草引きをしているようだった。
そっと近付くと、コウメさまは振り向くことなく、「ユーリ」と名を呼んだ。
「どうして見てないのに?」
「分かりますよ。少し落ち着いたかしら?」
草を抜き続けるコウメさまの隣に、悠里も膝を着いた。
「ご心配おかけしました」
「……ふふ。それは、心配しますよ。あなたは大事なうちの子ですからね。サムさんやサラも、アルも……皆、あなたを心配しています」
「……」
それから二人は黙々と草を抜き続けた。
いつもは人が何を考えているのか受け止めきれない悠里にも、この時だけは、コウメさまが何を考えているのか、何故か手に取るように分かっていた。
言葉に出さない、出すことが出来ない、深い思いがあるのだと。
それは、優しく悠里を包み込み、前へと押し出してくれる。
同じ召喚された者として、この世界で生きることの勇気を、コウメさまは沈黙の中で与え続けてくれていた。
美味しい。
御飯を美味しいと思えることが嬉しかった。
(うん。誰がやったとか、考えてたら切りがないもん。それよりは、次の種を植えることを考えた方が、ずっといい)
もう、迷わない。
何があっても、へこたれない。
(ディントを野菜でいっぱいにするって、決めたんだから……)
いろんな野菜を使ったサラダ。
根菜のスープ。
こんな料理を、誰もが隔てなく食べられるように。
そのために、頑張っているんだ。
(落ち込んでる暇なんてない……)
最後全部を掻き込んで、悠里はトレイを台所に返して来ると、コウメさまを探した。
途中サラが図書室で勉強しているのを見掛けて、ほっと胸を撫で下ろしたり、サム爺さんが昼寝をしているのを見て和んだりしながら、庭に出ると、やはりそこにコウメさまはいた。
コウメさまは花畑の草引きをしているようだった。
そっと近付くと、コウメさまは振り向くことなく、「ユーリ」と名を呼んだ。
「どうして見てないのに?」
「分かりますよ。少し落ち着いたかしら?」
草を抜き続けるコウメさまの隣に、悠里も膝を着いた。
「ご心配おかけしました」
「……ふふ。それは、心配しますよ。あなたは大事なうちの子ですからね。サムさんやサラも、アルも……皆、あなたを心配しています」
「……」
それから二人は黙々と草を抜き続けた。
いつもは人が何を考えているのか受け止めきれない悠里にも、この時だけは、コウメさまが何を考えているのか、何故か手に取るように分かっていた。
言葉に出さない、出すことが出来ない、深い思いがあるのだと。
それは、優しく悠里を包み込み、前へと押し出してくれる。
同じ召喚された者として、この世界で生きることの勇気を、コウメさまは沈黙の中で与え続けてくれていた。