キミさえいれば
俺と父さんは集中治療室を出ると、自動販売機などが置かれている談話室へと向かった。


そして、二人で向かい合わせに椅子に腰掛けた。


「父さん、凛はどこの川で発見されたの?」


俺は事故だと信じたかった。


「それがな。

お前の通ってる合気道の道場があるだろ?

あの近くの川だったんだ」


俺は目を見開いた。


どうしてあんな場所へわざわざ?


しかも、暗い時間に。


ーということは、やっぱり。


事故じゃ、ないんだ……。


凛……。


どうして?


どうして自殺なんか……!


「なぁ、保。

凛が付き合ってる男は誰なんだ?」


父さんが苦しそうに俺に問いかける。


俺は一度目を閉じると、深呼吸をし、ゆっくり瞼を開いた。


「父さん。


凛のお腹の子の父親は……」


父さんが顔を強張らせている。


俺は腹を決めて、父さんの顔を真っ直ぐに見た。






「俺だよ……」
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