キミさえいれば




先輩のお母さんが帰った後、私と母さんはなんとなく会話がなかった。


あまりに突然の提案に、戸惑っていたからだ。




先輩のお母さんの案はこうだ。


先輩にはこのまま高校を卒業してもらい、N大へ進学。


私は3月まで高校に通い、4月から休学。


その間に私は出産し、1年後に高校へ戻る。


高校に通っている間の赤ちゃんの世話。


先輩が就職するまでの経済的なサポートも、全て黒崎さんが担うと。


「ありがたい話ではあるけど。

そこまでしていただくのは、あまりにも申し訳ないわよね……」


自分の息子のせいでこうなったのだから、責任を取るのは当然だとおっしゃっていたけれど。


でも本来は実の息子ではないし、どうしてそこまでしてくださるのか。


私も母さんも、なんだか複雑な気持ちだった。

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