キミさえいれば
高校2年のお正月。


初詣に行った神社で、私は急にお腹が痛くなって倒れてしまった。


急いで病院に行くと、切迫流産と診断されて、すぐに入院になった。


幸い赤ちゃんには何の異常もなくて、点滴を受けながら、とにかく安静にしていた。


だけど入院期間は思っていたよりも随分長引いてしまって、学校へ行けない日々が続いた。


私があまりに学校に来ないので、学校のみんながいろんなことを言い始めて。


気がつけばどこから漏れたのか、私が妊娠しているという噂が、あっと言う間に広がってしまった。


しばらくして無事退院できたけど、噂の広がる学校に行く勇気もなくて、私は高校を中退してしまった。


その後すぐにたもっちゃんは高校を卒業し、N大へと進学。


私はあの古いアパートで妊娠期間を過ごし、その年の夏、里穂が無事に生まれた。


母さんはそれと同時に、あのスナックの仕事を辞めて。


私と一緒に、里穂の世話をしてくれていた。
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