キミさえいれば
しばらくは子育てに忙しい日々だったけど、ある時加奈子ママにこう言われた。


通信制の高校に編入しないかって。


将来のことを考えると確かにそうかもしれないと思い、私は子育てをしながら在宅での勉強に励んだ。


たもっちゃんの強力サポートもあって、私は無事単位を取得し、高校を卒業することが出来た。


それだけで充分満足だったのに、加奈子ママが何を思ったか、物は試しで短大を受験してみないかと言い出して。


勉強が好きなわけじゃないし、頭も悪いからと断ったのに。


なんだか強引に押し切られてしまって、得意な美術であの短大に合格してしまったのだ。


お父さんと加奈子ママの強い押しもあって、せっかくだからと通うことにはしたのはいいけれど、あの古いアパートから通うにはちょっと遠い場所だった。


たもっちゃんと離れたくなかったけれど、もともとたもっちゃんが大学を卒業するまでは一緒に暮らさないことになっていたし。


卒業も二人同時になるから、それまでは離れて頑張ろうということになって。


私と母さんと里穂の三人で、今の街へと引っ越したのだった。


同じ県内だったし、たもっちゃんとは週末婚のような状態だった。
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