ハート交換
ザーザー



波が砂浜に絶えず押し寄せている。



夕方の海は赤くキラキラして眩しいほど美しかった。



そんな光景を目の当たりにしたのがあまりにも久しぶりだったこともあり、私は切なくなるのを通り越して悲しい気分にさえなっていた。



「ねぇ・・・・」



「何?・・・・」



「散歩にしては遠くないですか?海が見えるんだけど。」



晃は思いきり笑顔になった。



「散歩に距離は関係あるの?まぁ・・・ちょっと遠いけど。」



そう言って舌をペロッと出して笑っている。時々、子供みたいなことをする。



そんな彼を私は秘かに可愛いと思っていた。



海岸を二人でゆっくりゆっくり歩いた。夕方の海は人がとても少ない。



ただ聞こえてくる音は波の音だけだった。




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