ハート交換
こんな大男いつの間にわたしの真後ろに立ってたの?!


気配すら感じなかった。


「あの・・・ドンナゴヨウがあるんデスカ?」


あまりの衝撃で声が小さくなってしまう。


巨漢男は、へ?とかは?とかいいながら、どんどん猫背になって背中がまるまっていく。


そして最終的に伝わったようだ。


「友達が傘を返したいんだってよ。じゃ、放課後屋上でね。」


巨漢男は、手入れの行き届いていない歯がよく見えるように最高の笑顔をつくって去っていった。



さっきまでの穏やかな午後の一時は、まるで嘘のようだ。



「どうしよう。」



『アイツの友達に本当に傘貸したの?』



なみかは、全身脱力状態のまま左右に首を降ってみたが、それが余りにも無意味に思えて仕方なかった



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