フォンダン·オ·ショコラ
今日こそは、許さん。浮気していることを問い詰めて、追い出してやるんやからっ!



…そう思っていたのに…長い睫毛の、子どものような寝顔に、怒るどころか、愛しくなって…。



頬を寄せたら、パッチリと目を覚ました。



思わず、後退り。



「チュウ、したくなった?」



「生きてるか、確認しただけや」



優しい微笑みに騙されそうになりながらも、反論した。



「おいでよ」



寝転んだまま、アイツが両手を広げる。飛びこんだりしたれへんからっ!


「お腹、空いた」



ふくれっ面でも気付かない素振りにイラッとくる。



「温めよう」



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