【短編】恋しちゃダメですかっ?
まゆみとルカが、ゆきに呼ばれて階段をあがってくる。


「祈祷師さぁ、慌ててかえっちゃったけど、もういいの?もう終わりなの?」



「まゆみもルカも手を貸してください。
さぁ、みんなで手をつないで、ゆっくりとお祈りしてください。」


「どうか、安らかにねむってください。どうか…。」


みんなで天井をみながら、声を揃える。



「どうか…安らかに…
おねむりください。
安らかに…。」





いつのまにか、部屋に金色の光の束がぐるぐると、まわり始める。



「ぎょっ。なんだ?」


ゆきがそういうと、あくびは、みんなに目を閉じるように指示する。



「どうか、安らかに、安らかに……」



何回もその言葉を繰り返す。




ふわっと風が吹き、金色の束は、窓をすり抜け、そのまま、外へと飛び出し、月に向かって消えていった。



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