【短編】恋しちゃダメですかっ?
みんなは腰をぬかし、その場にへたりこんだ。


あくびは、ことねのそばに寄り、小さい声で


「海であったあの彼が今日いなくてよかったね。」


そういって、ことねにウインクをした。


ことねは、びくっとし、そのまま下を向いて、動くことができなかった。



ああ、小太郎が来なくてよかった。


消えなくてよかった。


小太郎が前にいってた言葉を思い出し、ますます、小太郎への気持ちが大きくなっていった。


私が小太郎を助ける。



小太郎の願いを、聞いてあげる。



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