【BL】生まれ変わって会いましょう。
俺の言葉に要樹は表情一つ崩さず、
「………別に。」
とだけ答えた。
誰よりも会いたかったなんて……やっぱ朱鷺のやつ、俺の事からかったな。
これのどこが会いたかったやつの反応なんだ!
「あははは、そうだよな。ごめん、変なこと言って……」
「………………。」
はい、無視。まぁ、いいけどさ。
それにしても………
「ふぁ〜………眠……」
睡魔が絶え間なく襲い掛かってくる。
俺はもう一度ベッドに横たわる。
「要樹ぃ……ごめん、ちょっと寝る。晩ご飯の時間になったら起こして……」
要樹が了承の返答をしたのか分からなかったけれど、瞼を閉じると意識は夢の中へ落ちていった。
ーー夢を見た。
柔らかな陽だまりと、何処までも続いていくような草原。
見ているだけで心が安らぐ光景に、鳥たちの囀りが響き渡っていた。
すごく温かくて心地がいい。
佇む後ろから声がした。
「こら、花を踏むでない!」
「……………あ?」
振り向けば二つの影。
「花は愛でるもの。足を避けんか。」
と手を腰に当てて相手を睨み付けているのは、鮮やかな赤色の着物を纏い、陽だまりに輝く艶めいた黒髪の女性。
相手を睨んでいるからその形相はなかなかのものだけど、それでも凄く綺麗な人だって言うのが分かる。
「…………雑草だろ。」