Sunshine love
再会
「郁、うちらの学祭に、巧くん、友達と来るって!」
「よかったじゃん!チャンスだよ、奈緒!しっかり、このチャンス、モノにしないとね!」
私たちの学園祭は、9月にある。毎年、大にぎわいだ。今年は部活で試合が、クラスで喫茶店をやる。


部活での試合は、私の学校のライバル校を呼ぶ。当然だが、ライバル校を呼んで試合をすることは、とても大切なことだ。
クラスではというと、喫茶店をする。LHRと呼ばれる時間に、大急ぎで準備中だ。
喫茶店といっても、みんな仮装する。今年のテーマは、動物だ。
といっても、ウサギ、キツネ、タヌキ、イヌやネコなど、種類は10にも満たない。
私は、ウサギに似てるからと、ウサギになった。
多少、恥ずかしいのだが、クラスのみんなには
「ウサギの仮装、できるなんて、嬉しいよ!きゃー!」
とか言っている。もちろん、嘘だが。
奈緒はイヌだ。イヌが好きだからと奈緒は、ウサギをやろうといくら私が言っても、なびかなかった。もしかしたら、巧くん絡みかも。


シフトは奈緒と一緒だ。
試合は初日。2日目が喫茶店でシフトと、私は卓球部なのだが、一般のお客さんとも卓球ができるコーナーを設けている。そのシフトが午前中、喫茶店のシフトが午後だ。
「楽しみだねー!」
奈緒がにやけている。
どうやら、巧くんは、2日目に来るみたいだ。イヌをあんなにやりたがったのも、もしかして、巧くんがイヌ好きだからだったりしてね。
恋する乙女は無敵だ。


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