ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ

それから、その人とは何となく気まずく なった。雨で崩れていく砂山みたいに、 関係が悪化していく。

あっちも不満を言うんだから、こっちも そうさせてもらう。そんな心持ちで不満 を言うと変な空気になるし、何か悪いこ とがあると八つ当たりされる。

彼は、私を下に見ていたんだろう。平等 じゃなかったから。

彼の部屋で物が無くなると、私が勝手に 触って動かしたと思い込まれ、私は一方 的にきつく怒られた。私は、彼氏といえ どもそこはわきまえてる。勝手に人の物 をいじったりはしない。そう言ったんだ けど、彼は聞く耳持たずで私を疑った。

後々、私の知らないところでなくしもの が見つかっても、彼は謝りすらしない。 こっちの気分は最悪だ。


会うのが楽しいと感じず、億劫(おっく う)に思えてきた頃、彼と連絡が取れな いことが続いた。

今まで習慣になっていた朝晩のメール も、二~三日おきに一回のペースにな り、次第に、1週間に一回のメールすら 来なくなった。

もう、付き合っているのかどうか分から ない状態になってきた頃、彼が、市内の 女子大の女のコ達との合コンに参加して いたと、風の噂で聞いた。
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