ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ
変質者にビクビクするのも馬鹿ら しいく らい、私は自分を卑下(ひげ)する こと に慣れている。
自分には、女としての魅力なんてない。 写 真屋でカウンターに座る価値くらいし かな いと、本気で思っている。
そんな女でも、若いってだけで変質者に 狙 われるのだ。ミチはそれを分かってい ない 。
男性はみんなそうなんだ。適当に遊べて 最終的に性欲を満たすことさえできれ ば、相手はどんな女でも良いんだろう。
20年という、長いのか短いのかよくわ か らない人生の中で、私はそう悟ってい た。
男の大半はそういう生き物に違いない。
自分の下で女を喘がせ、欲求を満たした い だけ。
ミチもきっと、そうだったんだ。
付き合ったばかりの頃は優しくてマメ だっ たミチも、今では私のことを「変質 者にも 選ばれない女」認定する始末。
どうしてこうなったんだろ、こんなつも り じゃなかった。
そんな悲しい気持ちと同時に抱いた想い は 「やっぱり、こうなったか」。