ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ
ミチは、私がバイトしている写真 屋の社 員だ。
彼は、私が新人アルバイターだった頃、 仕 事のことをいろいろ教えてくれた。
彼は私より3つ年上の23歳だ。そうい う ことも関係あるのか、初対面の時、ミ チを 見てすごく大人っぽい人だと思っ た。
気さくな雰囲気を放つ彼は、想像通り新 人 にも優しい人だった。
仕事ができると評判で、他の社員や別店 舗 の店長にも可愛がられている。
新人だった頃、私がミスをしても、ミチ は 笑って許してくれた。
器が広くて、まさに、私の好みの男性だ と 、その時は思った。
今までそれなりに男の人と知り合い、彼 氏がいたこと もあった。
交際はどれも長続きしなかったけど、ミ チとの恋は永遠に続いてほしいなと思っ たし、そうなるに違いないと確信めいた 気分 もあった。
でも、『社員として振る舞うミチ』は、 彼 の表面的な――彼のほんの一部分でし かな いのだということを、付き合ってか らよう やく知ることになる。