恋愛学園





「……だ、大丈夫……青くん、早く行こ……」




青の言葉が聞こえてきたあとすぐに聞こえてきた憂の小さく震えた声。
見えないけど……憂が泣いている気がした。




「わかったよ、憂」



青もそう思ったからか、憂に従ってこの場を離れるように歩き出した。
だんだん遠くなる足音。




「……桃也、大丈夫?」



憂も心配だったけど、私は桃也のが心配だった。
憂の言葉を聞いてからずっと小刻みに震えている手。




「大丈夫だよ、俺たちも早く行こうか……」





憂と桃也が互いにどれほど愛し合ってるか傍から見ればわかりやすく、羨ましいって思うくらいだし。
そんな二人がこのままでいいはずがない。





「……うん」





でも、これは憂と桃也の喧嘩だし私達は今は見守ることしかできない気がする。
二人の問題は、二人でどうにかしなきゃ。




私が返事をすると桃也は歩き出した。
まじで、どこ向かってんだろ?





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