恋愛学園
「……あ」
「……え?」
「……」
上から青、私、柊花。
絶対恥ずかしがってやらないと思ってた憂が真っ赤な顔をして桃也の頬についたミートボールのソースを舐めた。
女子からは悲鳴。男子は羨ましがる声。
きっと当人たちには聞こえてないんだと思う。
桃也の頬が気のせいか赤くなっているように見えた。
「……桃也色々大変そう……」
そんな桃也を見てボソッと青が呟いた。
大変……?何が??
「我慢強い桃也でもあれは耐えるやろな。なぁ、青?」
さっきまで青にシバかれて死んでいた豹がいつの間にか青と柊花の間に入っていた。
さっきからなんの話??
大変とか耐えるとか……?
「なんの話だと思う?」
「……さぁ?」
柊花に聞いてみても首を傾げていた。
「なんや?知りたいんか??男の事情ってやつや!」
「「…………」」
あぁ、そういうことか……。
柊花と真顔で豹を見たあと前の二人に目を向ける。
「なんや、その目はあああああああ!!」
叫ぶ豹を無視して前に視線を向けても赤く固まったままのままだった。
そんな二人を見て周りもいつの間にか黙っていた。
――パチパチパチ。
「葉山さん、お疲れ様です。葉山さんの頑張りによって終わりにしましょう。佐藤くんもお腹いっぱいでしょうしね。お疲れ様です!次は杜川くんと葉山さんですからね」
満足そうな笑みを浮かべた腹黒王子。
腹黒王子の声によって動き出す桃也と憂。
「……憂に泣かれそう……」
不安な声を出す青と桃也の膝の上で顔を青くする憂。
そして、憂を抱きしめたまま笑顔で青を睨む桃也。
「……なんか、桃也に睨まれてんだけど俺。桃也だって芹那ちゃん膝に乗せたくせに……」