恋愛学園
それでもやっぱり心配そうな桃也の背中を押すと桃也は私の頭を撫でて学園用携帯で目的地を入力してすごい勢いで走り出す。
やっぱ、心配だったんだな。
あんなに疲れてたのにもう走れるなんて……すごい。
「……憂大丈夫かな……」
てか、私が大丈夫かな……。
一人になった途端これだ……。
なんで、私……暗闇怖いんだろ。
小さい頃から暗いとこには一人ではもう入れなかったな。
「……ハァハァハァ……気持ち悪い……目回りそう……」
私を見ておかしいと思った親に病院連れて行かれたんだっけな……。
"暗所恐怖症"。
過去の暗闇での恐怖体験のせいって言われたけどそんな体験してないもんな……本当に?
「……え?」
本当にしてないの?
じゃあ、なんで私は暗闇が怖いの?
「わからない……っ、こ、わい……助けて……青……」
「……芹那さん」
「……あ、青っ……」
「杜川くんじゃないですけど貴女が安心するならそれでいいですよ。やっぱり、暗所恐怖症ですかね……大丈夫ですよ、怖くないですからね」
「……青……」
良かった一人じゃない……。
「少し眠っていていいですよ、芹……」
あったかい……。
抱きしめられて安心すると瞼が閉じていった。
「芹、絶対取り戻しますよ……だから早く俺の事思い出して……」