恋愛学園




「……青?」


目の前にいるでかくて邪魔な腹黒王子を押し退けて青の方に行くと眉間に皺を寄せて腹黒王子を睨んでいた青が私を見て笑みを浮かべた。



「行くよ、芹那ちゃん」


「……ん?」


多分、教室にだよね?
青と私が一緒に行く意味って何?



「あっ……」



私の手を掴もうとしたのか、伸ばしていた手を止めて私の顔をじーっと見てくる青。
なんだろ、私の顔見てなにか思い出したのかな?



「ねぇ、あれにキスされた場所どこ?」



そう言うと青は、ニコニコと笑っている腹黒王子を指さす。



「先輩に向かってあれとは酷いですね、杜川くん」




「……どこ?」




ほんとに仲悪いな……この二人。
青は腹黒王子を嫌ってるっぽいけど、腹黒王子はどうなんだろ?楽しんでる……?




「……頬?」



頬だったよね、腹黒王子がしてきたの……確か。



「どっちの?」



なんで、こんな尋問みたいなの受けてんの……私?
てか、これ聞いて青はどうするんだろうか?




「……右…………あ、青?」




なんだろ、気のせいかな?
青が近い……どこがって顔に決まってる!




「……殺菌しないと」





いや、あの……近いですよ。
そんなに、近づく意味はあるのかな?




青の手と青の顔がだんだん私の右頬に近づいてくる。


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