恋愛学園



「……青、何したんだよ?こんなに怖がるなんて……」

「なんや、我が儘な女やな」



私の拒絶を聞いて佐藤くんは青を問い詰めるように見て豹は呆れた顔で私を睨んできた。



「……んー?ただ、ルール通りお姫様抱っこして運んだだけだけど?」



俺は何もしてないよというような顔で佐藤くんの問いに答える。
まぁ、なんにもされてないけどさ。
それを聞いて佐藤くんは困ったように笑っていた。


「……うーん、じゃあエレベーターで行こっか」



なんだか、ごめんなさい……。
皆でエレベーターの前まで行くと後ろにいた憂が佐藤くんの後ろに行っていた。



「……憂、おかえり」


「ただいま、ももちゃん……」



ももちゃん……?佐藤くんの名前って、"とうや"じゃなかったっけ?



「とうやの"とう"は"桃"だからだよ」



「……あぁ、だからももちゃんなん……っ青!なんで、考えてることわかったわけ?」




声に出してないのに、いきなり人の頭を読んで私の疑問に答える青。
腹黒王子といい、青といいなんなの。



「顔に出てたから?……あっ、エレベーターで変な声出さないでね」



「……は?」



青からそう言われた時既にエレベーターが来て乗り込んだら、何故か壁際に寄せられて真ん前にでかい青が立つ。
辺りを見回すと憂も柊花も壁際にいて、その前に佐藤くんと豹が立って壁に手をついていた。




「……あの……青?これは何?」




「壁ドン?」




うん、だよね……。
聞いた私が馬鹿だったね。




「うーんと、学園長曰く満員電車とかでの大事な彼女守るための練習と大事な彼女を逃げられないようにする練習らしいよ?」




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