恋愛学園




「城崎さんも早く席に座りなさいね」



そう言うと先生は教卓の上に置いてあったチョークと教科書を手に取り緑の大きな黒板の前に戻る。



座るって……あのニコニコな笑みを浮かべてるあの男の膝の上に……??
嫌……すごく嫌……。



「はよーしぃやー!!」



「……うっさい!!アホ豹!!」



「なんやと、クソアマが!!」



「は??」




チャチャを入れてくる豹がうるさくて睨みながら言い返したら負けじと豹からも言い返されてそれを続けていたら、眉間に皺を寄せている美人さんの存在に気付く……。
や、やばい……。




「……あっ、柊花!!あいつうるさいなぁ!!いますぐ黙らせるから待っときー!!」




いやいや、うるさいのはお前だから。




「……豹、うるさい。芹那にこれ以上文句言うんならもう話さないし近寄らないで」




柊花のセリフを聞いた豹は物凄い勢いで謝り始めて柊花の機嫌を取っていた。
いや、柊花……すごいわ。




「……芹那ちゃん??」



席の前までつくと自分の膝をポンポンと叩いている青がいた。
座れってことか……これは、すわれってことなのかな??



そして、青ファンの女子の視線がすごく痛い……。
さっきから、突き刺さってる……。




「……せ、芹那ちゃん……が、頑張って!!」




「……憂……」



やばい、憂を膝の上に乗せてギューってしたい……。
憂、可愛すぎるんだけど!!




「憂、いい子だね」



「……ももちゃんが、褒めてくれた!!」




そんなことを考えていても憂と佐藤くんがいちゃつき出したので、諦めた。
いや、でも……ホントに見ててほのぼのするカップルだな。




佐藤くんが頭を撫でるとすごく嬉しそうに笑う憂をそれまた優しい目で見つめる佐藤くん。




どっかの誰かとは違うね……。
どっかの天然を装った実は、悪魔な奴とは……。




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