嘘つき、でも騙されてあげる
私は優里さんが眠るお墓の前に立った。



そして手を合わせ、優里さんに話しかけた。



優里さんは私の本当のママ?



どうして私を生んだの?



どうして私を置いていったの?



どうしてどうして、もう声なんて聞けないし、



ひどいよぉ!



私を一人にしないで!



私はお墓の前で大声で泣いた。



監督がごめんごめんと何回も謝り私を抱き締める。



そんな私たちを卓斗はずっと見ている。



もう辺りが薄暗くなっていた。



監督が何処かに電話をした。



「今タクシーを読んだから、夢花は卓斗に送ってもらいなさい。



せっかく二人切りになれたんだから、



二人でもっと話すといいよ。



僕と優里のようになってほしくないんだ。



好きなのに好きって言えないなんて、



そんなの悲し過ぎる。



卓斗夢花を頼む。」



監督が帰って行く。



私たちは薄暗い墓地にいた。




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