嘘つき、でも騙されてあげる
私たちは別れるんじゃないんだから。



いつか必ず会えるんだから。



私は自分に言い聞かせた。


泣き過ぎて呼吸がうまく出来ない。



卓斗が抱き締めて背中を撫でてくれる。



もうこうして抱き締めてくれる事もないんだね。



「卓斗東京へはいつ行くの?」



「今週末だから明後日の土曜日かな?」



そんなに早く私は驚いてしまった。



もう卓斗いれる時間はないんだね。



でも携帯があるから大丈夫だよね?



手紙を書いてもいいし、東京だよ。



新幹線で二時間だよ。



いつでも会いに行ける。なんて私は簡単に考えていた。




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