嘘つき、でも騙されてあげる
『相変わらず慌て者だな。』



私は声も出ないただ卓斗を見つめていた。



『夢花綺麗になったね。何か話してくれよ。』



あまりにも突然で声を出す事を忘れていた。



「私びっくりしてしまって、ごめんなさい。」



何故か涙が溢れてしまった。



『夢花会いたかったよ。』


優しく抱き締める卓斗。



「私も会いたかった。」



もう言葉なんていらなかった。



お互いの目を見てそれが分かった。



私の愛しい人。



『夢花もう泣かないで、せっかくの綺麗な顔が台無しだよ。』



それでも泣き止まない私を卓斗はもう一度強く抱き締める。



『夢花もうはなしたくないよ。お願いだから俺から離れないで。』



そして、私が話そうとすると私の口を卓斗の唇が塞いだ。



私たちはまだ誰も来ていない、結婚式会場の長い廊下でそっとキスをした。





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