Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
甘味
2月に入ってから、坂下は何か言いたそうにしていた。



「何?」



「…いえ、何でもありません。」



聞いてみても、そうやって返されちゃうんだ。



無理矢理聞きだそうかと、思った矢先だった。



「昨年、あのようなことを言っておいてお願いするのも心苦しいのですが…、バレンタインデーにはチョコレートを頂けませんか?」



去年のバレンタインデー、私にとってはツライ思い出でしかない。



あの頃、こうして坂下の彼女になれるとは思いもよらなかったな…。



「もちろん用意するよ!

あ、でも食べ物って持ってきて良いのかな…?」



「大丈夫です。」



「最近、和さん何か言いたそうにしてたけど…、もしかしてチョコの催促?」



坂下は、ちょっと恥ずかしそうに頷いた。



「チョコレートは是非、手作りにしてください。」



坂下がそう言うから、頑張って作った。



喜んでくれるかな…?



ラッピングされた箱を渡したら、坂下はスゴく喜んでくれた。



「美味しそうな、トリュフチョコレートですね。

早速、いただきます。」



坂下がチョコを手に取ったとき、病室のドアが開いた。



「カズ、病院で出すもの以外は飲食禁止だと言った筈だ。

アンちゃんも駄目だよ、持ち込んじゃ。」



院長に言われて、驚きを隠せなかった。



坂下、大丈夫って言ってたじゃん…。











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