Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
ふと後ろを見ると、講堂の後ろ側の小さなドアから車椅子を押した人が外に出ようとしていた。



あれって…。



気になったので、席を立って外に出た。



車椅子を押していたのは、坂下が入院している病院の院長。



そして、車椅子に乗っていたのは…坂下だった。



院長に車椅子を押させるなんて…いや、驚くのはそこじゃない。



「和さん!」



私が声をかけたら、坂下が振り向いた。



「学校で、その呼び方はいけませんよ。」



坂下が、穏やかに微笑みながら言った。



だけど私は、それどころじゃない。



「もう、歩けないほどに…弱っていたんですね。」



いつもベッドにいるから、気付かなかった…。



「全く、歩けないわけではありませんよ。

ただ長い距離を歩くのは辛いので、こうして移動しているだけです。」



坂下はそう言って笑ったけど、ホントはかなりキツイんじゃないかな?



いつもみたいにキスしようとしたら、断られた。



ちょっと、淋しかった…。



「本当は私もキスしたいところですが、ここは学校ですから…仕方ありません。」



気持ちは一緒だったことが、嬉しかった。







 

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