Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
「蒼先生の演奏、素晴らしかったでしょう?」



坂下は、わざわざ蒼のヴァイオリンを聴きに来たんだ…。



「うん、何でプロにならないのか不思議。」



「音楽で食べていこうなんて、考えたことないからな。」



私の背後から、蒼の声がした。



「流石ですね、蒼先生。」



ヴァイオリンを手にした蒼の姿を認めた坂下が、拍手をする。



蒼の奴は、当然って顔して



「ありがとうございます。

…ま、生徒の殆どは退屈そうにしてましたけど。」



なんて言った。



私たちが坂下を囲んで話していると、講堂から教頭が駆け寄ってきた。



「坂下、来ていたのか。」



「教頭先生、お久しぶりです。

伴奏お疲れ様でした。」



「去年が好評だったから、今年はどうなるかと思ったが…。

蒼くんのおかげで、何とか無事に終わったよ。」



教頭は蒼の肩を、軽くポンっと叩きながら言った。



坂下はそれを微笑ましく見ると、言った。



「他の生徒に気付かれないうちに、病院へ戻るとしましょうか。」



今ここにいるメンバーは、坂下が余命幾ばくもないこと知っているけど、他の人が車椅子の坂下を見たらどう思うか…。



「先生、学校終わったら行くからね。」



私は名残惜しくて、坂下の車椅子に手をかけた。











< 212 / 243 >

この作品をシェア

pagetop