Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
桜が咲き始めた頃、事務所に客が来た。



私は、客のためにお茶を淹れる。



蒼がいきなり姿を消し、叔父に財産を持ち逃げされ…と踏んだり蹴ったりの梨香が心配だし、もう仕事が無いのなら辞めようか…。



そう思ってた矢先だった。



「アンジェ、特注のペンダントトップが出来上がったそうよ。」



社長のセリフに客の1人が、ぎょっとした表情をする。



社長のオネエ言葉を、初めて聞いたんだろうか。



客というのは、事務所の社長経由で特注品をお願いした営業のコと、社長の言葉を聞いてぎょっとしたのは…誰だろう?



私もソファーに座り、ペンダントトップを手に取った。



坂下の遺骨を入れるのに相応しい、クロスのトップ。



依頼して良かったと、心から思った。



談笑している中、営業のコの隣に座っていた男性の視線が、まるで私を品定めしているかのようで…気になった。



目が合うと、その人は口を開いた。



「キミは…、事務員?」



仕事も貰えないのに、グラビアモデルだと答えて良いものか…。



「ウチの商品よ。」



私の代わりに、社長が答えた。



「ならば、話は早い。

彼女を、ウチの看板に推したい。」



かん…ばん?



営業のコと一緒にいたのは広報の人で、イメージモデルを探していたらしい。



話を要約すると、全国展開に打って出るための宣伝に私を使いたい…のだという。



驚いた…、なんてものじゃなかった。



1ヶ月後にはTVCMで私の顔が流れるようになり、他の仕事も舞いこんでくるようになった。












 

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