だから私は雨の日が好き。【冬の章】※加筆修正版
「そういうのを我慢するのも仕方ないと思うよ、時雨の性格なら。でも頑張ってばかりいると、自分だけ苦しくなってばっかりになるんだよ?苦しくなった気持ちは、そう簡単には治らないんだから」
優希はそう言ってこちらを向いた。
その目は、私のことを本当に心配している目だった。
「怖いかもしれないけど、言いたいこと言わないと。二人とも苦しくなってちゃ世話ないよ」
二人とも?
私だけが我慢しているんじゃないと言うことだろうか?
私の目が気持ちのまま疑問を映したのか、優希は困ったように笑って続けた。
「湊さんはさ、いつでも時雨のことが心配なんだよ。それは、一番傍で見てた私が知ってるよ」
「そう・・・、なのかな?」
「そうに決まってるでしょ!何言ってるの」
「でも、今の私にはわからないよ」
「時雨・・・」
本当に、私には今はわからない。
今の湊が何を考えているのかな、と不安になってばかり。
傍で湊に触れていれば、そんなもの何もないと想えるけれど。
ずっとそうしているわけにはいかないし、少しでも離れると不安でたまらないんだよ。
これを人は『依存』と呼んでいるのかな、とか。
私は湊なしじゃ、もういられなくなっているのだ、と。
気付かされた気がした。