【完】時を超えて、君に会いに行く。
その日の放課後。
「じゃあな。部活終わったら、美術室に行くから」
「うん」
「りょーかい」
私たちは今から、美術室に向かう。
沙奈は絵を描くために。
私は小説を書くために……だけど。
私はこのまま、小説を書いてもいいんだろうか?
だって私の小説のせいで……航は、死にかけたんだよ……?
夢かもしれないけど……。
ただの悪い夢なだけかもしれないけど……。
それでもあの日、あんな出来事が起こるとわかってたら、私は金曜日に美術室なんて残ってたりしなかった。