【完】時を超えて、君に会いに行く。
幼なじみの命がなくなるくらいなら、ただ趣味で書いてる小説なんて、書かないでいた方がいい。
「つーかさ」
教室を出て行こうとする航の声が響いて、私は我に返る。
「彼方。お前もいい加減、俺らと帰ろうぜ。なんでいつも先に帰るんだよ」
あ、なんだ。
彼方に向けられた言葉だったのか。
「ごめん。一緒に帰りたいのはやまやまなんだけど、俺んち忙しいからさ。家のことも俺がやらないといけないし」
「いっつもそう言ってるじゃねぇか!もうわかったっつーの!
でも、1日くらい別にいいだろ?」
「ごめんな。また帰れる時があったら言うよ」
「ちっ。またそれかよ」
不服そうに舌打ちをする航。
もう。また彼方を困らせて……。