【完】時を超えて、君に会いに行く。

幼なじみの命がなくなるくらいなら、ただ趣味で書いてる小説なんて、書かないでいた方がいい。



「つーかさ」



教室を出て行こうとする航の声が響いて、私は我に返る。



「彼方。お前もいい加減、俺らと帰ろうぜ。なんでいつも先に帰るんだよ」



あ、なんだ。


彼方に向けられた言葉だったのか。




「ごめん。一緒に帰りたいのはやまやまなんだけど、俺んち忙しいからさ。家のことも俺がやらないといけないし」



「いっつもそう言ってるじゃねぇか!もうわかったっつーの!
でも、1日くらい別にいいだろ?」



「ごめんな。また帰れる時があったら言うよ」



「ちっ。またそれかよ」




不服そうに舌打ちをする航。



もう。また彼方を困らせて……。

< 34 / 420 >

この作品をシェア

pagetop