ORANGE SNOW


―――…

「ふぅん…」

窓辺で庭に見える二人の少女を目を細めて見、手を組んでいる紅茶色の少女―さくらは、そう声を漏らした。
その横ではくるくる、と二人の会話を発している小さな音符が回転しており、戸惑ったような蓮華が立ち尽くしていた。

「蓮華、もうしまっていいよ」

「あ、あのお姉ちゃん。
やっぱり盗聴なんて…」

言われた通りに音符に手を触れ消えさせると、さくらに話しかけるが、さくらは首を降った。

「私達には知る権利ってのがある。
まぁ、自分から話してくれるみたいだけど」

そう言うと窓から目を話し、蓮華を見てふっと笑う。
依然と蓮華は不安そうだったが、さくらの「朝ご飯作ろうか」という促しに、大人しく頷いた。


―――時だった。



「―――――ッ!」


唐突に、とてつもない破壊音と、誰かの甲高い声が近くから響いてきた。
驚いて二人は立ち止まり、顔を見合わす。
同時、何かが燃える焦げ臭いがあたり一面に広がり、蓮華が首を傾げた。

「今の声、セルだよね…。
なんか燃やした?」

「違う。
この大きな音、隣の部屋な気がする」

< 100 / 123 >

この作品をシェア

pagetop