ORANGE SNOW
再び無言が流れたが、さくらはすぐにはっとし、手に腰をあてた。
「――とりあえず、家に入りなさい。
何しようとしたか知らないけど、そんな裸足で外出たってあの子はもういな…ッ」
そう言いかけた時、どん、と強い衝撃が肩にあたり、軽くよろめくと綺麗な茶色のざく切りの髪が見えた。
瞬間理解し、目を見開き手を伸ばしたがその髪を持つ少女――炎獄には届かず、炎獄はきらと蓮華に向かって帯状の炎を放った。
「…ッうあ…」
「炎獄やめて!」
咄嗟二人は後ろに下がり伏せたが頭上に炎が掠り、恐怖のあまりに声をもらした。
スノウが叫んだが炎獄はやめる様子を見せず、自分の周りに炎の球をいくつも作り出した。
「可哀想?泣きそう?
ふざけんなよ!
慈悲するくらいならあたしと代われ!
あたしを殺せ!
普通の幸せを持ってるくせに!
幸せなくせに…ッ」
そう叫んだ炎獄の片腕は、さくらの魔法で傷ついたのかぼろぼろで、剣を引きずるように持っていた。
そして顔から見える片目は、やはり――泣きそうだった。
「――とりあえず、家に入りなさい。
何しようとしたか知らないけど、そんな裸足で外出たってあの子はもういな…ッ」
そう言いかけた時、どん、と強い衝撃が肩にあたり、軽くよろめくと綺麗な茶色のざく切りの髪が見えた。
瞬間理解し、目を見開き手を伸ばしたがその髪を持つ少女――炎獄には届かず、炎獄はきらと蓮華に向かって帯状の炎を放った。
「…ッうあ…」
「炎獄やめて!」
咄嗟二人は後ろに下がり伏せたが頭上に炎が掠り、恐怖のあまりに声をもらした。
スノウが叫んだが炎獄はやめる様子を見せず、自分の周りに炎の球をいくつも作り出した。
「可哀想?泣きそう?
ふざけんなよ!
慈悲するくらいならあたしと代われ!
あたしを殺せ!
普通の幸せを持ってるくせに!
幸せなくせに…ッ」
そう叫んだ炎獄の片腕は、さくらの魔法で傷ついたのかぼろぼろで、剣を引きずるように持っていた。
そして顔から見える片目は、やはり――泣きそうだった。