ORANGE SNOW

雨あられ、と呼ばれた少女は挙動不審そうに後ずさり、ぎゅっと手を握り締めた。
それにスノウが、眉を細める。

「わ、悪いのは、霙なんだから・・・。
霙、が、裏切ったか、ら、悪いの・・・!」

そう言うと、手を天井にかかげ、今までの口調とは違う、はっきりとした声で叫んだ。

「此方コード雨あられ。
侵入者及び、"裏切り者"の霙を発見。暁総員で排除する命を求めます!」

その声はやけに響き、あちらこちらから足跡が一気に聞こえ始めた。
さくらの治癒魔法で楽になった身体を起こしたリヴィアスは、焦ってスノウを見た。

「スノウ!」

「・・・ッ逃げなさい、二人とも!
一緒に逃げないで、ばらばらに!
絶対、捕まらないで!」

どん、と背中を押され、二人は咄嗟に頷き、別々の道へと走り出した。

四方八方から聞こえる足音に、入り組んだ道を適当に進み、鉢合わせないように進む。
あとの事が気になるが今見つかったら死んでしまう、リヴィアスはぎゅっと手を握りしめ、ひたすらに走り続けた。



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