ORANGE SNOW
一話 平穏

朝日が昇ると共に私は起きて、月が昇ると共に私は眠るの。
ご飯はたくさんの家族にかこまれながら騒がしく食べて、
掃除や洗濯は全部家族で分担してお互い助けあうの。
そんな当たり前の事が私は幸せでたまらなかった。


-一話 平穏-


朝方になると冷え込む季節だが、人々は気にせずに太陽が昇ると共に起き出し、各々の仕事の準備をし出す。
町外れにある教会の一部屋で寒そうに布団にくるまっている少女もまた、その中の一人だった。
少女は布団を静かに避けると、ベッドの上で日課の朝の祈りを捧げる。
その姿は一般市民としては想像出来ない上品さが溢れており、貴族の雰囲気を漂わせていた。
少女の名前は、リヴィアスと言う。
この教会―兼、弧児院で暮らしている子供の一人だ。
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