ORANGE SNOW
「魔法は珍しいかしら?」

セルリアは叫んだ兵士の後ろに一瞬でまわると、背中を思いっきり蹴り飛ばした。
兵士は嵐に吹き飛ばされたように宙を舞うと人形の山に突っ込み、起き上がってこなかった。
それを確認すると再び「詠唱」を始める。

「古より眠りし天の怒り、神の舞風、今いでよ」

「何やってる!止めろ!」

一気に空気が変わり、魔力が練り込まれる様子にきらを抱えた兵士は急いで命令するが―セルリアは微笑んだ。
そして、手を天井にかざす。

「トルネード!」

同時、セルリアから複数の竜巻が現れて兵士達を襲った。
セルリアの魔法に次々に切り刻まれ、きらを抱える兵士以外すべて返り討ちにされた。
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