隣に座っていいですか?これはまた小さな別のお話

そんなある日

いとも簡単に
桜ちゃんの目標金額が達成してしまい。

『妖怪ウオッチ買いに行こう』って目をキラキラさせて私の元へやってきた。

それは
私の幼なじみの
銀行員の責任である。

「暑いから近所のお兄さんが『アイスでも買いなさい』って500円やるのが悪いのかよ」

私にヘッドロックをかけられながら
実家のそば屋で達也が叫ぶ。

「欲しいものがあって、桜ちゃんが一生懸命お金貯めてるって話を本人に聞いたから、優しいお兄さんがこづかいやっただけだろーが」

「欲しい商品の在庫がないから時間稼いでたのに、あんたのせいでめちゃくちゃじゃん」

こっちの予定が狂うんだよ。
達也の首を絞める手に力がまた入ってしまう


きっとまだ
在庫不足でしょう。

「達也のバカ」

八つ当たり相手にピッタリな達也に蹴りを入れてると、そば屋の扉が開き紀之さんがやってきて、ヘッドロックをかける私に目をしかめる。

すいません。
暴力はいけませんね。

コソコソと達也から腕を離し解放すると

「密着しすぎです」

冷たく彼は私に一言。

暴力をふるっていた私に注意じゃなくて、くっついてるのが悪いのですか?

さすが
目の付け所が違う夫。

「桜。おいで」

夫の後ろから
桜ちゃんが出てきたけど

とっても元気がなくて
しょんぼりしていて

目が赤い。

「達也さん。桜におこづかいをありがとうございます」

紀之さんは達也に笑顔で言い
桜ちゃんを私達の前に出し、ツンツンと桜ちゃんの背中を突っつく。

すると桜ちゃんは用意をしていたように
言葉を私達に告げる。

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