隣に座っていいですか?これはまた小さな別のお話

気が付けば朝で

私はひとり
着替えもせず
寝室のベッドの上だった。

隣には誰もいない
今、何時だろう。

何時まで話をしていたのだろう。
もう朝方まで話をずっとしていたはず

意識がなくなった頃
彼がここまで運んでくれたらしい。

枕元の時計は8時を指していた。
あら、こんなに寝てた。

ゆっくりと下に降りると、ソファで彼が横たわって寝ていた。

ベッドで寝ればいいのに。
クスリと笑って、私はそのまま彼の身体の上に重なる。

「わっ」
開かない目で上向きになり、私の身体をしっかり支える。

「重たい掛け布団ですね」

「失礼だよ」

寝不足のふたりだけれど
沢山話をして
心の中は満たされていた。

「おとうさん。いくちゃんママ」
元気な声が階段の上から聞こえ

「桜ちゃんも乗っかっちゃえ」って私が言うと、桜ちゃんは嬉しそうに走って来て、私の身体の上にジャンプ。

掛け布団がもう一枚増えました。

ぺったり桜ちゃんが私にくっつき、私が彼にぺったりくっつく。

一番下で
押しつぶされた彼が悲鳴を上げていた。

頑張れお父さん。
私と娘を頼みますよ。

愛しい小さな身体を受け止め、愛する彼に受け止められ。

私はもう大丈夫。

大好きな大切な家族。

ありがとう。



     【完】



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