隣に座っていいですか?これはまた小さな別のお話
「でもほら、うちのクラスのお母さん達、美人揃いだから、私なんて足元にも及ばないよ。美魔女がいっぱい」
まだ怖い顔の夫に言うと、ちょっと納得してまた足を動かす。
めんどくさい男である。
綺麗なお母さん達が多いのは事実。
今度、紀之さんと一緒に学級委員をするお母さんはとっても美人で、帰り際、彼に挨拶したけど……彼の腕に軽く触れていた。
触る必要ないよね。
ないんだよ。
えっ?なんで触れたの?
見上げる目つきも熱かった。
その時は気付かなかったけど
危機感を覚えるのは
もしかしたら私の方かもしれない。
気合を入れなきゃ!
「あっ!お花がさいてる」
桜ちゃんは私達の手を離し、道端の小さな花に顔を寄せる。
青い空
街路樹の鮮やかな緑
春の風が吹き
身体より大きなランドセルの子供達が元気をくれる。
「春色ですね」
そう
全ては春色。
ほんわかと優しく
元気になる色を持つ季節。
可愛い娘と素敵な夫に恵まれて、春色に染まりながら幸せを感じていた。
【完】
まだ怖い顔の夫に言うと、ちょっと納得してまた足を動かす。
めんどくさい男である。
綺麗なお母さん達が多いのは事実。
今度、紀之さんと一緒に学級委員をするお母さんはとっても美人で、帰り際、彼に挨拶したけど……彼の腕に軽く触れていた。
触る必要ないよね。
ないんだよ。
えっ?なんで触れたの?
見上げる目つきも熱かった。
その時は気付かなかったけど
危機感を覚えるのは
もしかしたら私の方かもしれない。
気合を入れなきゃ!
「あっ!お花がさいてる」
桜ちゃんは私達の手を離し、道端の小さな花に顔を寄せる。
青い空
街路樹の鮮やかな緑
春の風が吹き
身体より大きなランドセルの子供達が元気をくれる。
「春色ですね」
そう
全ては春色。
ほんわかと優しく
元気になる色を持つ季節。
可愛い娘と素敵な夫に恵まれて、春色に染まりながら幸せを感じていた。
【完】