シークレットプリンセス〜川崎隆弘編〜
その声は
久しぶりに聞いた声だった。
羅川さんが
その声の方を向く。
「隆弘…。
お前…。
喋れたのか?」
動揺する羅川さんを横目に
隆弘さんは今だと言わんばかりに
男たちを投げ倒して羅川さんの所に歩み寄る。
「来るな!
来るな!」
羅川さんは
隆弘さんに銃を向けようとする。
が
それより先に
隆弘さんは羅川さんに飛びかかり
羅川さんから銃を奪った。
「…。
俺の大切なオンナに手出すんじゃねぇ…。」
隆弘さんの目は怒りで満ち溢れている。
「お前…。
お前が悪いんだぞ…。
お前が俺の横領を警察にバラそうとしたから…。
お前の妹に罪をなすりつけて
その横領は俺だと分からなかったがな。」
「…!
ひどい…。」
リナさんは
羅川さんに罪をなすりつけられたんだ!
「ありがたく思えよ。
犯罪者の兄など就職先はほとんど無い。
その
お前を今まで雇ってやったんだからな。
妹も。」
「あぁ。
ありがとうと礼を言おう。
俺がお前の事務所にずっといた理由が分かるか?
お前の指示に従い続けたか分かるか?」
その時
扉がバン!とあく。
「羅川!
お前を横領容疑で逮捕する!」