シークレットプリンセス〜川崎隆弘編〜








その声は
久しぶりに聞いた声だった。
羅川さんが
その声の方を向く。










「隆弘…。
お前…。
喋れたのか?」





動揺する羅川さんを横目に
隆弘さんは今だと言わんばかりに
男たちを投げ倒して羅川さんの所に歩み寄る。







「来るな!
来るな!」






羅川さんは
隆弘さんに銃を向けようとする。

それより先に
隆弘さんは羅川さんに飛びかかり
羅川さんから銃を奪った。









「…。
俺の大切なオンナに手出すんじゃねぇ…。」






隆弘さんの目は怒りで満ち溢れている。








「お前…。
お前が悪いんだぞ…。
お前が俺の横領を警察にバラそうとしたから…。
お前の妹に罪をなすりつけて
その横領は俺だと分からなかったがな。」









「…!
ひどい…。」







リナさんは
羅川さんに罪をなすりつけられたんだ!







「ありがたく思えよ。
犯罪者の兄など就職先はほとんど無い。
その
お前を今まで雇ってやったんだからな。
妹も。」








「あぁ。
ありがとうと礼を言おう。
俺がお前の事務所にずっといた理由が分かるか?
お前の指示に従い続けたか分かるか?」







その時
扉がバン!とあく。











「羅川!
お前を横領容疑で逮捕する!」











< 97 / 114 >

この作品をシェア

pagetop