悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


「ルカ、あんた何考えてんの?いきなり彼女の部屋に来ていきなり彼女を押し倒して、そしていきなり寝る!?」


あたしはまるでハリウッド女優のように、身振り手振りを大きくする。


ルカは目を腕で覆ったまま、大きく息を吐いた。


「頼むから大声を出すな。そして早く電気を消してくれ。眩しい」


で、電気を消せだって!?


正気なの?


これは魔界では普通なの?


だけどここは人間界だよ!?


いくら付き合ってるからって、こ、こんなことめったにないよ!?


それに、あたしまだ高校生だし、余計ないよ!?


「何をしている、早く消せ」


ルカは覆っていた腕を上げ、眩しそうに眉間にシワを寄せてあたしを見た。


だけどあたしは頭が真っ白で身動きが取れない。


するとルカはイライラしたように手を天井に上げ、フッと魔力で電気を消した。


突然視界から灯りが消え、暗闇の世界になる。


ルカが、あたしの腕を引いてまたベッドに引きずり込んだ。


耳元でルカの吐息が聞こえるけれど、まだ暗闇に目が慣れなくて何も見えない。


硬直しきった体は、真っ直ぐ天井を向いたまま。




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