悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


ルカはあたしの方に体を向けると、ギュッとあたしに抱きついてきた。


ビクっと肩が上がる。


「そんなに怖がるな、何もしない」


耳元で、ルカの声がかすれる。


眠そうな声だ。


「魔界に行けば、俺はずっと仕事詰めになる。おまえと一緒にいられる時間も少なくなるんだ」


ルカの顔が一層近づいて、あたしの首筋に埋めてきた。


ルカの温かい息がくすぐったい。


「だから、今のうちに充電……」


徐々に弱々しくなるルカの声。


「今日一日だけ、こうやって、一緒に……」


最後まで言い終わらないうちに、ルカからはスースーと寝息が聞こえてきた。


……ね、寝た。


彼女と密室にふたりっきりで、しかも暗闇だっていうのに、コイツ、寝やがった。


マジで……?




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