溶ける温度 - Rebirth -

無理に「平常心平常心」と唱えれば唱えるほど、ぎこちない空気感があふれ出している気がして。なかなかあがった心拍数は戻ってくれない。


「明季ー、今日から日替わりメニュー一新するから、黒板を書きなおしてほしい」

「了解です。…このメモ通りに書けばいいの?」

「書き方は任せるよ。あ、でも春の食材だけ色変えて目立たせて」

「分かった」

「これ、新しいのだから」


真さんから手渡された白いメモ書きには、5つほどのメニューが箇条書きにされていた。
美味しそうな季節の食材とこだわりのオリジナルソースが記載されており、目にしただけでもおいしそうだ。
月の初めとか季節の変わり目になると、いくつかメニューを変えたりすることはざらにあるけれど、メニュー一新は初めて見た気がする。

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