溶ける温度 - Rebirth -
おはよう、とけだるげな朝の挨拶がいつも通り真さんから返ってくる。
どこか恐る恐る室内に足を踏み入れる。当たり前だけど変わらない店内の様相なのに、私の気持ちが勝手に心拍数をあげるもんだから、なぜか初めて従業員として裏門をくぐった時ぐらいに緊張した。
真さんはまだ眠いのかあくびをしながらランチの仕込みを始めている。
トントントン。野菜を刻む音が定期的に響く。
その間に私たちの会話はゼロ……あれ、いつもってもっと雑談してたっけ。普段通りの私ってどんなだっけ。